3DS用のストⅣの画面を見たんですが、自分視点?見たくなってて、あれはやりづらそうです。本体も思ったより売れていないらしくて、転売屋さんが買った分がオークションでいっぱい余っているみたいですね。
「Wii」「PlayStation3」「Xbox 360」など、据え置き型のハイエンドゲーム機戦争が一段落したゲーム業界。次なる合戦場は、携帯ゲーム機マーケットだ。1月末にはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)も、PSPの後継機種となる開発コードネーム「Next Generation Portable」(NGP)を発表。国内2大携帯ゲームプラットフォームの直接対決は、ゲームファンのみならず、様々な方面から注目を集めている。
特に、国民的携帯ゲーム機とも言える「ニンテンドーDS」資産を引き継ぐ3DSの動向は、具体的な詳細がまだ見えないNGPの今後の展開にも大きく影響するはずだ。まずは、ニンテンドー3DSがユーザーにどう受け入れられるのか――携帯ゲーム機市場が盛り上がるかのカギは、3DSが握っていると思っていいだろう。
さて、そのニンテンドー3DS。最大の特長は、ゲーム専用機で初めて、メガネを使わずに3D映像を見られる“裸眼3D”を実現したことにある。人気グループ嵐をフィーチャーしたテレビCMの大量投下、主要都市でのユーザー体験会の精力的実施など、任天堂サイドも裸眼3Dでゲームをすることの新規性のアピールに余念はない。
3DSで実現される“3Dゲーム”。それは大きな魅力であり、発売前の予約状況も好調だった。初回の出荷台数は国内40万台とも言われており、年内には数百万台の出荷を見込んでいると噂される。アクティブなゲームファン、コアなゲームユーザーは、嬉々としてこの新体験を受け入れているとみていいだろう。
大手ゲームメーカーがソフト開発への参入を表明している安心感も好調な滑り出しの下支えとなっている。DS時代からの人気大作タイトルの発売も予想される。裸眼3Dに対応した画面は高細密化し、ダブルスクリーンとタッチスクリーンの軽快な操作性も備わった。DSソフトとの互換性もあり、DSからのお得な“上乗せ感”が高い。「少し高いけど、これなら許せるか」と思わせる2万5000円という絶妙な価格設定を実現しているのも、任天堂らしい戦略。これまでのDSユーザーの買い換え欲求を、素直に喚起している。
だが、その“上乗せ感”の筆頭となる裸眼3Dが、今後の3DSマーケティングでの懸案事項となるのでは? と見る業界関係者は少なくない。確かにゲームの裸眼3D化はインパクト大だ。実際に3DS専用ソフトを体験すると、思わず「おおっ!」と声を挙げてしまうほど、初見の驚きがある。しかし携帯ゲーム機でも、今では3Dオブジェクトの表示が当たり前となっているゲームというメディアでは、ユーザーも3D映像に慣れるのは早い。インパクトは、予想以上に早く薄れる可能性がある。
裸眼3D映像から得られる没入感への慣れは悪いことではないが、3DSの映像は目にも刺激が強い。任天堂が自ら、3D映像が与える6歳以下の子供への視覚成長への影響について注意を促しているほどだ。『リッジレーサー3D』(バンダイナムコゲームス)のような激しい動きとスピード感のあるゲームほど疲労を感じるのも確か。3DSは専用タイトルでも2D画面に切り替えが可能なので、3Dを一通り体験した後は、疲れないように2D画面で遊べばいい。だが、それではわざわざ3DSを買う必然性も薄れてしまう。
では、3DSが本当の意味でゲームに与えるインパクト、発展する可能性はどこにあるのか。それは、裸眼3Dディスプレイ以外で搭載された多くの付加機能ではないか。
今回、3DSには「ニンテンドー3DSカメラ」「ARゲームズ」「ニンテンドー3DSサウンド」「Miiスタジオ」など多数の内蔵ソフトが用意されている。特に目を惹くのはAR(拡張現実)への対応だ。「ARゲームズ」では、本体に同梱された6枚の「ARカード」を内蔵3Dカメラで読み込むことで、目の前にはいないはずのキャラクターやオブジェクトが3Dで登場する。本体を動かすと内蔵モーションセンサー&ジャイロセンサーが働き、そのキャラクターが動くミニゲームが楽しめる。新鮮な操作感とAR表示のクオリティーの高さは大きな魅力。3DSソフト開発において、これまでにない斬新なゲームデザインを生み出すきっかけにもなりそうだ。
通信機能の強化も見逃せないポイントだ。DSで『ドラゴンクエストIX星空の守り人』(スクウェア・エニックス)の爆発的ヒットにも貢献した“すれちがい通信“を強化(3DSでは、複数タイトルのすれちがい通信が常時可能)。無線LANアクセスポイントを自動検索して新情報などを取り込める“いつのまにか通信”も新搭載している。AR機能と並んで、これまでの携帯ゲーム機にはなかった新たな“遊び”を実現し、既存ゲームの遊びの幅をさらに広げる可能性が、3DSには満ちている。
3DSは、我々の想像以上に遊べる、ガジェット感あふれるマシンなのだ。問題は、これらの新機能をゲームの作り手がどう上手く活用するか。これまでの任天堂ゲーム機を振り返ってみると、その機能をうまく活用したゲームソフトは、任天堂が発売したタイトルが中心であると言ってもよいほど。3DSのガジェット感を、サードパーティーがどこまで本気で遊べるか。機能を使い切って、面白くて新しいゲームを作れるか。その意味でも3DSは、これまで以上に新感覚の“遊び”の発想を問われるゲーム機と言える。
ニンテンドー3DSがDS並に巨大マーケットを形成できるかを占う上で、もう一つ注目しなければならないのが、ソフトラインアップのインパクトだ。日本国内でローンチタイトルとして用意されたのは8作品。『スーパーストリートファイターIV 3D EDITION』(カプコン)、『Winning Eleven 3DSoccer』(KONAMI)、『戦国無双 Chronicle』(コーエーテクモ)など、サードパーティーの有名シリーズ最新作が顔をそろえている。
ただ正直、DSファミリーとして引き継ぐべきボリュームゾーンであるライトユーザーが手を出すには敷居が高い。アクティブなゲームファンにとっては目新しさがない。3月にはさらに14本のタイトルが発売されるが、「これがあるから3DSを買わなきゃ!」と思わせる驚き、万人が欲しがる大作に欠けた感もある。
ゲーム機の売り上げを左右するのはやはり、そのハードでしか遊べない画期的なキラータイトルだ。今後、超人気シリーズ作品の『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』(任天堂)や『STARFOX64 3D』を筆頭に、世界的人気の『バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D』(カプコン)、『METAL GEAR SOLID SNAKE EATER』(KONAMI)などの大作が今後発売される見込み。DSファミリーでいえば、開発が進んでいるとみられる『ポケットモンスターシリーズ』(ポケモン)や国民的RPG『ドラゴンクエストシリーズ』(スクウェア・エニックス)などにも期待が集まる。しかしいずれのタイトルも発売時期などの詳細は未発表だ。3DSが売り上げ的にもゲームマシンとしての魅力でも本気で真価を発揮するには、今しばらく時間が掛かるとみる関係者が多いのには、こうした背景もある。