生き残りをかけたメーカーの戦争は年々熾烈さを増していくばかりですが、携帯して音楽を楽しめる機器はウォークマンとiPodの2つに大きく分けられて争っています。
デジタル家電製品のシェア争いが激しさを増している。市場調査会社GfKジャパンが発表した2011年の家電製品の国内シェア(台数ベース)によると、ブルーレイディスク(BD)レコーダーや小型デジタルカメラ、プリンターなどで首位が入れ替わった。
11年はメーカーの新製品攻勢のほか、東日本大震災やタイ洪水による影響も大きく響いた。タイの生産拠点の全面復旧にはまだ時間がかかる見通しで、今年もデジタル家電の勢力図が変わる可能性がある。
BDレコーダーは、前年(10年)に0.1%差でシャープに首位を明け渡したパナソニックが、35.4%と2位のシャープ(25.5%)に10ポイント近い差をつけ2年ぶりに首位に返り咲いた。320ギガバイトのハードディスク駆動装置(HDD)を内蔵したエントリーモデルの販売が好調だった。
小型デジタルカメラはソニーが16.5%を獲得し、2004年の統計開始以来、初めて首位に立った。「ソニー製品は市場平均単価よりも高いが、薄さや機能性をアピールして他社との差別化に成功した」(家電アナリスト)という。16.3%の僅差で2位に転落したキヤノンは、震災後に部品不足で長崎工場が一時操業停止に追い込まれ、生産が停滞したのが響いた。
キヤノンはプリンターでも、タイ洪水で主力工場が浸水して年末商戦でシェアを伸ばせず、3年ぶりにセイコーエプソンに首位を明け渡した。タイ洪水により11年12月期で営業利益が200億円減る見通し。
また、携帯音楽プレーヤーはソニーの「ウォークマン」(52.0%)が米アップルの「iPod(アイポッド)」(42.7%)を抜き初めて首位に立った。ソニーは上位機種に米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載するなどラインアップを拡充し、中高生から音楽愛好家まで幅広い年代で支持が広がった。アップルが昨年、新製品を発売しなかったことも影響した。
その他の製品では、薄型テレビでシャープが36.2%を獲得し、8年連続の首位。東芝(21.6%)、パナソニック(17.7%)が続いた。