友人が最初に発売されたときにソニーのヘッドマウントディスプレイを購入していましたが、実際に使わせてもらうと大型のテレビの画面とは比べ物にならない迫力がありました!FPSをこの画面を見ながらすると、さながら本物の戦場にいるかのようです。
大きなサングラス?ゴーグル?セットすると眼前に迫力のある大画面が広がる。画像を独り占めにできる映像機器、ヘッドマウントディスプレー(HMD)に新商品が相次いで登場し、大きな話題を呼んでいる。25日にはシースルー機能を搭載したモバイル型が発売され、いつでもどこでも楽しめると、人気にさらなる拍車がかけられそうだ。
HMDは眼鏡のように着用する映像表示装置。3D(立体)映像にも対応し、視線を遠くに向けるに従って感じられる画像の大きさが拡大して、部屋の広さなどに関係なく、映画館で見ているかのような感覚が味わえる。
セイコーエプソンが25日から販売する「MOVERIO(モベリオ)BT-100」は、シースルータイプの眼鏡型HMD。映像を見ながら周囲の状況が確認できる。仮想画面サイズは20メートル先に320インチ型相当で、専用端末に米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド2・2」を採用。ネット上のコンテンツも表示でき、最大6時間の連続視聴を実現した。
HMDは据え付け型が主流だが、屋外や公共交通機関での移動中にも使用できるのが特長だ。
徳島文理大で映像情報メディアの研究を行う福田京平教授は「モバイルという機動性に可能性を感じます。デザイン性も重要な要素です」と指摘する。
市場想定価格は5万円台後半。エプソン販売の中野修義販売推進本部長は「国内シェアの40%を目指したい」とし、販売目標台数は1年間で約1万台。HMDは一部の愛好家向けという傾向があり、日本能率協会総合研究所の調べでは、ここ数年は年間販売台数が600台から800台。エプソンの高い目標設定の背景には、HMDとして前例のない売れ行きを示すソニーの新製品の存在がある。
ソニーが11日から販売を開始した「HMZ-T1」は、有機EL(電気発光)パネルを搭載した3D対応HMD。ゲームとの対応にも優れ、東京、名古屋、大阪でのデモ展示には9月の発表から長蛇の列が続いた。価格は6万円前後で、東京・秋葉原の家電量販店では、9月末の段階で1店舗に1000件に迫る予約が寄せられたという。
家電量販店のビックカメラでは「HMDとしてこれまでにない反響。商品のお渡しが来年1月以降までお待ちいだたく状況です」。ソニー広報部も「3Dコンテンツの普及とタイミングも合い、予想をはるかに上回る盛り上がり」という。
IT・家電ジャーナリストの安蔵(あんぞう)靖志さんはHMDの人気沸騰を次のように分析する。
「家族で共有するものだったテレビがパーソナルなものになり、価格や装着のしやすさが改善したHMDが、一部のマニア向け製品からパーソナル向け映像機器になりました。ソニーとエプソンで違うタイプを出すことでユーザーのニーズを喚起できると思います」
HMDはビジネス分野での応用も期待されるが、電子音楽の旗手で、映像作品との融合にも取り組む作曲家の渋谷慶一郎さんも、新しい可能性を指摘する。
「モバイルという機能によって、より便利で親密なツールになっています。音楽や映像などで空間に作品を構築するインスタレーションにも活躍が期待できます。モバイル型MHDは場所や時間が特定されたサイトスペシフィックなアートをどこにいても楽しめるものにすると思います」