2012年1月10日火曜日

パナソニック、2011年の環境への取り組みとその成果は?

家電メーカーのこれからの目標で、環境との共存はなくてはならないものだと思います。省エネ対策をみんなですることで、一人では小さい効果でも、結束する事で莫大なエネルギーになります。

パナソニックは、2011年12月14日、2011年における環境や節電への取り組み成果などについて発表した。
今年夏の節電への取り組み成果としては、2011年7月1日に設置した節電本部を核にした活動について説明。工場およびオフィスでは、電気代が前年同期比10%減、節電による電力料金削減は約2億5000万円に達したほか、e-work在宅勤務は4~8月で1万5290日に達し、前年同期比35%増になったことを明らかにした。また、パナソニックグループ社員による家庭での節電実績は8月には12%減を達成した。
冬季の節電については、「関西電力、九州電力といった数値による節電要請を受けている地域については、その達成に向けて努力する。その一方で、夏場は昼間に電力ピークが訪れるのとは異なり、冬場は午前中と夕方にピークを迎える。9時~11時、17時~19時の電力使用量を抑えるほか、夜間の電力使用量を抑える」(パナソニック 役員 環境本部本部長の宮井真千子氏)とし、照明の間引き、エレベータの間引き運転、PCの節電設定、自動販売機の運転停止といった夏場の取り組みを継続しながら、オフィスの空調温度の19度設定やウォームビズの励行、在宅勤務と直行直帰の励行、定時退社日の増加、家庭向けに配布する冊子として冬の節電アクションプランを用意し、各家庭での節電チェックの実施などを進めるという。
「定時退社日を水曜日と金曜日の週2回設定し、定時退社日の残業者は18時以降、特定の会議室を残業部屋として用意し、そこで集中して作業を行うようにする」という。また、節電アクションプランでの節電成果は、その成果相当分をLED電球に換算して、被災地に寄贈するという。
投入資源の削減、再生資源の回収、再生資源の活用
環境への取り組みでは、投入資源の削減、再生資源の回収、再生資源の活用の3点から説明した。
投入資源の削減では、HDD搭載BDレコーダーを例にあげ、2008年発売製品に比べて、高さで10mm低い49mm、奥行きでは116mmも縮小した199mmを実現。さらに年間消費電力量では41%減、消費電力では28%減、待機時消費電力では83%減などの省エネ化を図っていることを示した。
再生資源の回収では、兵庫県加東市のパナソニックエコテクノロジーセンター(PETEC)において、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの家電リサイクル4品目の累計処理台数が800万台に達し、鉄では自動車15万8417台分にあたる12万9903トン、銅では奈良の大仏81体分にあたる2万249トン、アルミではジャンボ機95機にあたる1万928トンを回収したことを発表。さらにネオジム磁石といったレアアースの回収事業に乗り出す姿勢をみせている。
再生資源の活用では、廃ブラウン管ガラスからグラスウールを再生し、これを真空断熱材の生産に活用する再生プロセスを確立。また廃家電からプラスチックを回収して、異物を除去する形で樹脂として再生。これらの再生樹脂を一定以上使用した商品を資源循環商品として発売する計画も明らかにした。
資源循環型商品の第1弾商品として、トップユニット冷蔵庫「NR-F506T-X」(市場想定価格24万円前後)、ドラム式洗濯乾燥機「NA-VX7100L-X」(同30万円前後)、スチームIHジャー炊飯器「SR-SX01-X」(9万円前後)、サイクロン式掃除機「MC-SS310GX-X」(8万円前後)の4商品を用意。それぞれ限定3000台で、2012年2月20日から発売する計画だ。
トップユニット冷蔵庫には、テレビのブラウン管を再生したグラスウールを90%使用した真空断熱材を採用。ドラム式洗濯乾燥機では約26%の再生樹脂を使用した。また、スチームIHジャー炊飯器では約20%、サイクロン式掃除機では約17%の再生樹脂をそれぞれ使用する。
さらにパナソニックでは、2012年1月からさらにグリーン調達を強化する考えを示した。これまでのサプライヤーに対して要請していた環境マネジメント、化学物質管理に加えて、GHG排出削減、資源循環、生物多様性といった取り組み要請にも乗り出す。GHG排出量削減では、今年7月から原材料・電気電子部品で試行を開始。11月からは加工会社、外注会社への試行拡大を行っている。2012年度には協働購入先への拡大を図る考えだ。
一方で、2012年1月1日から三洋電機、パナソニック電工を統合した新体制とするのに伴い、全社公式Webサイトをリニューアル。環境活動に関するメニューをトップページに用意。さらに、すべてのページのフッターに、eco ideas(エコアイディア)マークを表示する。また、パナソニックグループの環境への取り組みをできるだけ平易な表現で解説したeco ideasスペシャルサイトを用意。まずは7カ国語で開始し、順次、対応言語を広げていくという。加えて、Google Picasaを利用した環境活動の報告サイトを立ち上げ、FacebookやTwitterでも速報レポートするという。
なお、パナソニックは、東京・有明の東京ビッグサイトで12月15日から開催するエコプロダクツ2011に出展。「今のくらし、そしてこれからのくらしに応えるパナソニックのエナジーソリューション」をテーマに、エコナビ商品のラインアップや、太陽電池、燃料電池、蓄電池、資源循環商品といった環境関連商品を一堂に展示する。