2012年1月17日火曜日

量販店の年末商戦で見えた、2012年デジタル家電の人気トレンド

先日2ちゃんねるでアマゾンで50インチのテレビが2万円で売ってると話題になっていましたが、良く見てみたらそれは本体ではなくてただのサンプルモデルでした。良く見ないで買ってしまった人がもしかしたらいるかもしれませんね。間違って買ったという理由だと、クーリングオフもできないというおまけ付きでした。

全国の家電量販店の売上データを集計している調査会社のBCNは2012年1月11日、2011年の年末商戦を中心としたデジタル家電の販売状況を発表した。新聞やテレビなどでは「量販店の看板商品であるテレビが売れない」といった厳しい状況をよく耳にするが、新たな人気商品のトレンドも見え始めている。
【薄型テレビ、レコーダー】薄型テレビは50型超の大型モデルが売れている
主要なデジタル家電の平均単価は下がり続けているが、なかでも薄型テレビの下落ぶりが突出している。4年前(2008年1月)と比べて下落率は59.1%と、6割に迫るほどだ。特に、売れ筋の32型クラスの低価格化が著しく、1年前と比較して40%を超える下落率を記録した。薄型テレビ全体で見ても、平均単価はついに5万円を切っている。
アナリストの道越一郎氏は、「2012年3月末に地デジ化を迎える東北3県はこれから需要のピークを迎えるが、それ以外の地域ではテレビ特需は終わった」と断言する。
だが、年末商戦ではこれまでにない動きが見られた。50型を超える大型モデルが好調に売れていることだ。2011年12月、20型未満~40型台のサイズは前年と同程度の売り上げにとどまった。だが、50型超のモデルは219%もの売り上げ増となり、薄型テレビ全体で見ても3~4%を占めるほどになった。「販売店が大型モデルの販売に力を入れていることもあるが、40型以下のモデルと比べて平均単価の下落が緩やかなのに売れているのは注目できる。大型モデルはメーカーの収益を生む源になっており、明るい話題といえる」(道越氏)。
レコーダーは、年末商戦で過去最高の売れ行きを示した。2011年12月の時点では、ブルーレイ対応モデルが90%以上を占め、ハードディスク容量も500GB以上の製品が86%を超える。ブルーレイ対応とハードディスクの大容量化の影響で、平均単価の下落ペースはいくぶん緩やかになっていると分析する。
メーカーでは、スマートフォンとの連携機能を強化したパナソニック製品のシェアが高い。だが、ディスク1枚あたりの大容量化を図ったBDXLの次の進化が見当たらず、「2012年は価格競争が激化する可能性もある」とにらむ。
【デジカメ】シェアを伸ばしながら単価を維持した富士フイルムに注目
2011年に発生した東日本大震災とタイの大洪水の影響を大きく受けたのがデジカメだ。特に、コンパクトデジカメは厳しい状況が続く。「2011年、販売台数や金額は軒並み前年割れし、平均単価も1万5000円を切った。画質向上の要だった画素数競争は終焉を迎え、ズーム倍率競争も陰りが見えている。次の一手が見えてこず、スマートフォンに侵食されつつある」と分析する。
だが、2011年に高価格帯の「FinePix X100」や「FUJIFILM X10」を投入してヒットにつなげた富士フイルムの動きに注目する。「富士フイルム製品の平均単価はメーカー別でトップを維持しながら、シェアも伸ばしたのが評価できる。今後、安ければいいという時代は終わり、付加価値の付いた製品が注目されるだろう」と見る。
レンズ交換型のデジタル一眼は、目立った新製品に欠けたデジタル一眼レフカメラが販売台数の前年割れを続けたのに対し、新製品が多く登場したミラーレス一眼は前年比で2ケタ増を見せた。2011年12月には、ミラーレス一眼の構成比が48.2%にまで高まり、市場構造の変化が続いていることが分かる。
2011年、ミラーレス一眼はニコンとペンタックスリコーイメージングが参入した。2011年12月時点でのシェアは、ニコンが13.1%で4位を確保したのが目を引く(3位のソニーは19.1%)。海外では富士フイルムが高級志向のミラーレス一眼「FUJIFILM X-Pro 1」を発表しており、今年はさらなる混戦が見込まれる。
2012年のヒットの鍵は「斬新なスタイルや機能で付加価値を付けた高価格帯商品」か
道越氏は、「デジタル家電市場は全般的に価格下落が続いており、各メーカーとも消耗戦の状況になっている。だが、2011年の市場を見ていくと、わずかながら光明が見えてきた」と語る。その鍵となるのが「小さな機能アップではなく、勇気あるスタイルの刷新により新たな価値を生み出すこと」だと分析する。
2011年に登場した製品のなかでは、富士フイルムの高級コンパクトデジカメ「FinePix X100」や「FUJIFILM X10」、アスーステック・コンピューターのウルトラブック「ZENBOOK」などが挙げられる。いずれも、スタイルや機能性でほかにはない魅力を備えたことが評価され、同ジャンルの製品のなかでは高価格ながらもヒットにつながった。
2012年は、基本OSにAndroidを搭載した「Google TV」をはじめとするスマートテレビが日本に上陸すると見込まれ、テレビの多機能化が進むだろう。薄型テレビは、シャープが発売している極薄&軽量モデル「フリースタイルAQUOS」の人気を受け、薄さを追求したデザインモデルがヒットしそうだ。全チャンネルを自動録画する東芝のホームサーバー型レコーダー「レグザサーバー」も人気が高く、各社から同様のコンセプトの製品が出て人気に火がつくと見込まれる。このように、2012年は既存の製品に付加価値を付けた高価格帯モデルがヒットしそうだ。