2011年4月20日水曜日

パナソニック、節水しながらがんこ汚れも落とす縦型洗濯乾燥機

今まであまり気にされていなかった消費電力に、震災の影響から目を向けられる傾向があります。特に熱を扱う製品は元より、洗濯機や衣類乾燥機にもスポットが当てられてきました。洗浄力は以前のままに、どれだけ省エネができるのかがこれからのメーカーの課題になりそうですね。

パナソニックは、節水・省エネ機能とがんこ汚れを落とすモードを搭載した縦型洗濯乾燥機「NA-FR80S5」の製品説明会を、報道関係者向けに開催した。発売日は5月15日で、店頭予想価格は18万円前後。
洗濯は8kg、乾燥は4.5kgまで対応する、同社の縦型洗濯乾燥機の最高級モデルに当たる製品で、高い洗浄・節水・省エネ能力にこだわった点が特徴。同社のユーザー調査によると、洗濯機の次回購入時に重視する点として、「洗浄能力」「節水・省エネ性」が上位となっており、また洗濯物で困っている点として「エリ・ソデの汚れが蓄積する」「ソックスの汚れが完璧に落ちない」が挙げられるなど、洗浄や節水、がんこな汚れ対策がニーズとなっているという。
節水については、従来から採用する洗浄方式「エコウォッシュシステム」を強化。同システムは、パルセーターをきめ細かく制御して、衣類に揉み洗い効果を加える“ダンシングかくはん水流”と、少ない水を勢い良く循環する“循環ジェットシャワー”で、少ない水でも高い洗浄力を確保するというもの。
今回は、循環ジェットシャワーの洗濯槽回転数を、高速・低速の2段階に制御した。高速回転では水が繊維を勢い良く通過し、洗剤成分を振り飛ばし、低速回転では、水を衣類に浸透させ、衣類の奥に残る洗剤成分をすすぐ。これにより、すすぎ水の透過効率が向上するため、8kgの定格容量洗濯時の場合、使用水量は従来よりも2L少ない97Lとなった。
省エネ機能では、洗濯時に衣類の量や汚れに応じて省エネ運転する「エコナビ」を、乾燥工程にも新採用した。
乾燥時のエコナビは、洗濯槽内を循環する風の温度変化をセンサーで検知することで、衣類の量や布質による乾き具合を見分けて、検知結果に応じてプログラムを自動で制御。化繊など乾きやすい衣類が多い場合、エコナビなしの場合と比べ最大で約5%の省エネになるという。この結果、衣類の乾かしすぎも防げるため、布傷みも軽減できるという。
がんこ汚れ対策としては、新コースとして「パワフルコース」を設けた。これはパナソニック独自の洗浄方法「泡洗浄」と循環ジェットシャワーを組み合わせて、「予洗い」→「循環ジェットつけ洗い」→「仕上げ洗い」という3つの洗浄を行なうというもの。これにより、泥や皮脂汚れといったがんこな汚れも、しっかり落とせるという。同コースの最大洗濯容量は4.5kgまで。
予洗いでは高濃度の洗浄液で、衣類表面の固形汚れを落とす。続く循環ジェットつけ洗いでは、循環ジェットシャワーによって発生する泡と高濃度の洗浄液で、洗剤のパワーを衣類の中まで浸透させてつけ洗いする。循環ジェットシャワーとつけ洗いは10回繰り返され、繊維内のがんこな汚れも落としやすくなるという。仕上げ洗いは、水流を強めた攪拌洗いで汚れを落とすというもの。これらが完了した後、すすぎと脱水が行なわれる。
会場では、泥のついた野球のユニフォームを、通常の洗濯とパワフルコースで洗った比較が披露された。通常の洗濯では泥の色が薄く見えたが、パワフルコースでは汚れは判別できなかった。
パナソニックでは、洗濯に必要な3要素として「水」「機械力」「洗剤」を挙げており、これに泡が加わることで、洗剤の界面活性剤が球体となり、より洗浄力が活性化されるという。パナソニックではさらに、「本格的に泡立てできるのはパナソニックだけ」としている。
マンション向けドラム式洗乾「プチドラム」は30~40代の単身・2人暮らし層に人気
会場ではまた、マンション向けに幅と奥行きを60cmに抑えた「プチドラム」、投入口を通常よりも10cm高くした「トールドラム」など、ななめドラム式洗濯乾燥機の新製品も展示された。プチドラムは本日4月15日、トールドラムは5月15日に発売される。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はプチドラムの「NA-VD100L」が15万円前後、トールドラム「NA-VT8000」が30万円前後。
プチドラムはすでにモニター販売が開始されているが、パナソニックによると、使用者の33.9%が一人暮らし、31.5%が二人暮らしと、少人数世帯に人気という。また、年齢層では「女性・30代」が18.3%、「女性・40代」が16.7%、「男性・30代」が13.5%、「男性・40代」が12.7%と、30~40代が多くなっているという。
また、モニターが挙げた「プチドラムの魅力点」としては、「スリム&コンパクトサイズ」が68.5%で1位となっている。