飲み悩んでいるTV事業に一度区切りをつけるために、日立はそれまで生産していたTV工場の稼動を一時ストップするとともに、独自の技術を外販するという試みに挑戦することを明らかにしました。収益で黒字にすることの見通しが立たないとして、先日行われた会議の中で決定した事項のようです。
日立製作所が、赤字のテレビ事業で生産拡大による収益改善は困難だとして、関連技術の外販に乗り出すことが15日、明らかになった。
最先端の省エネ・高画質技術を直接、世界の新興メーカーに販売する「知的財産権ビジネス」に軸足を移す。日本の家電メーカーは主力の薄型テレビの値下がりに苦しんでおり、日立の方向転換は他メーカーにも影響を与えそうだ。
日立が販売するのは、発光ダイオード(LED)の発光を細かく制御して省エネに役立つ技術。日立はこれで液晶テレビの消費電力を約30%も削減した。
販売の第1弾は、テレビの委託生産で世界3位のベステル(トルコ)。この技術を使ったベステルの自社ブランド製品などに対して、一括払いや生産・販売台数に応じる形で日立が技術使用料を得る契約だ。これ以外にも、中国などの新興メーカーに販売し、2011年度下半期にこうした技術販売で数十億円の利益を上げる計画だ。日立は新ビジネスで下半期のテレビ事業の黒字転換を目指す。日立のテレビ事業は現状、国内シェア(占有率)で第5位の4・6%(2010年)にとどまっている。