時計メーカーとして知られているシチズンが、LEDの開発をしていたことにまずはおどろきました。従来の製品の4倍以上の発光を可能にすることで、さらに照明に必要な消費電力も抑える事ができますね。
シチズン電子は、“世界初”全光束17,675lmの大光量LEDなど、5パッケージ11品種の照明用LEDを開発したと発表した。
今回開発された中で最も明るいのが、“水銀灯300W相当”の明るさを備えた「CLL050シリーズ」。従来までは、LED1個当たりの光量が最高でも4,390lmだったが、本製品では17,675lmと飛躍的に向上した。同社ではこの高い全光束について“世界初”としている。
また全5パッケージにおいて、アルミ基板に直接LED素子を実装する特許工法「チップ・オン・アルミ工法」による高い放熱性と、備品の最適化による光の取り出し効率を高めたことで、1個のLEDで賄える光量に幅を持たせられるようになった。シリーズ全体で、“電球10W形相当”の100lmから17,675lmまで、明るさが途切れることがなくラインナップされるため、さまざまな既存光源との置き換えが可能という。
さらに、“発光効率重視”、“光量重視”などタイプの選択も可能。中には1W当たりの発光効率が155lm/Wを超えるものもあるという。
光の質も向上した。従来品は、パッケージ内のLED素子が四角の形状となっていたが、本製品では光学上の最適化をはかることで、丸形に変更。器具にした際の光のまだらを低減するという。
従来比ではこのほか、光量と発光効率も向上。部品の最適化を行なうことで、同じ素子数、同じ駆動条件で発光させた場合、光量と発光効率が40%向上するという。
同社によると、白熱電球やハロゲン電球、街路灯や投光器に採用されている大光量のHIDランプをLEDに置き換える場合、LED1個では必要な光量の確保が難しく、複数個のLEDを器具内に設置しているという。しかしこの場合、LEDの配置面積による器具の大型化や
反射板など設計の複雑化、影が複数できる“マルチシャドウ”といった弊害が起きるという。
そこで新製品では、1個のLEDで賄える光量に幅を持たせることで、1個のLEDで置き換えられるため、器具の小型化や光学設計の簡略化に貢献するという。さらに、LEDの形状を5パッケージに抑えることで、LED周りの光学設計が共有化、器具設計の効率化も測れるとしており、器具メーカーはさまざまな既存光源との置き換えの可能性が広がるとしている。
CLL050シリーズのサイズは38×38×1.4mm(幅×奥行き×高さ)。消費電力は24.6~183.9W。全光束は2,885~17,675lm。