2011年10月14日金曜日

売れる美容家電 売り場拡張に走る家電量販店


デフレ化などで不況に喘いでいる販売店では、手軽に家で綺麗になりたいという女性のために、脱毛機や美顔器などの売り場作りを多めにしているそうです。特に主婦層が来店する事が多いので、購買意欲を煽るための工夫に余念がないそうです。

美容家電が好調だ。大手家電メーカーが手頃な1万~5万円ほどの製品を充実させたことで、「エステサロンに行かずに自宅で気軽にケアできる」と女性の心をつかんだ。家電量販店では、いま、美容家電売り場を広げる動きがみられる。シンクタンクが「今後2~3年は成長が続く」という美容家電市場。家電量販店はこの商機を狙い、女性客の獲得に力を入れている。
女性スタッフ中心の売り場で女性客に売る
ビックカメラは、9月16日、有楽町店(東京)の3階に、美容家電やフィットネス機器、リラクゼーショングッズなどを揃えたコーナー「ビック ビューティー」をオープンした。美容家電は、従来は地下1階で展開していたが、もともと3階にあった布団売り場と入れ替えることで、売り場面積を約1.5倍に広げた。これまで取り扱っていなかったアロマオイルやディフューザー、バスソルトなどを入れて、品揃えを強化した。
「ビック ビューティー」は、企画や商品選びを女性スタッフが担当。接客も、もちろん女性だ。女性目線で売り場づくりとサービスを強化することで、女性客がゆっくり商品を見て、楽しめる環境をつくった。店員が女性なので、肌の悩みなども話しやすい。またドライヤーが試せるコーナーは明るいイメージで利用しやすくしたほか、パナソニックの美顔器を実際に試すことができるカウンターは、人目につきにくい奥に配置した。
店舗全体からみれば、「ビック ビューティー」は、女性客拡大を図る取り組みの一環だ。オープン後は、「お昼休みや仕事帰りの女性が、ふらっと来店してくれるようになった」(ビックカメラ有楽町店3階ビック ビューティー担当の高田真由氏)と、早くも売り場刷新の効果が出はじめているという。ビックカメラは、今後、他店舗でも「ビック ビューティー」を展開していく方針だ。
埼玉県羽生市のイオンモール羽生1階に入る上新電機羽生店も、美容家電の販売を強化している。岩田良仁店長は、「美容家電は製品数が増え、売れゆきもいい」と、売り場強化の背景を語る。店舗はイオンモールの中にあって、主婦層や若い女性が多く来店するほか、テナントには、若い女性店員が多い。こうした女性層のニーズに応えて、年々品揃えを強化してきた。メインの入り口を入ってすぐの場所に売り場スペースを設けているほか、大きな導線となる通路にはワゴンに展示してアピールしている。
最近では、パナソニックが4月に発売した「頭皮エステ」の人気が高く、1か月に数十台のペースで売れているという。パナソニックの「頭皮エステ」と微粒子イオン「ナノイー」搭載ドライヤーのセット販売では、2か月で30~40セット販売した。岩田店長は、「『頭皮エステ』は、ドライヤーや美顔器などとは違い、これまで店頭になかった新しいカテゴリの商品。それだけに、伸びしろがある。こうした新しいカテゴリの新製品が登場してくる美容家電はさらに伸びていくはず」と、期待する。地上デジタル放送移行後、テレビの販売が減速するなかで、美容家電は「ポスト地デジ」商材の一つとして存在感を高めているのだ。