2011年10月16日日曜日

石油ストーブ「節電の冬」主役に 暖房機器早くも商戦過熱


電気不足が叫ばれている昨今を予期して、消費者達は電気がなくても生活できるようにと電気ストーブを購入する方が増えています。いざとなったら上で調理も出来るからと思わぬ方法を考えている方もいます。

冬本番を前に、暖房機器の売れ行きが早くも過熱している。夏に引き続いて節電対策が求められる今年の冬は、石油を燃料とし、電気を使わないストーブやファンヒーターの需要が急激に拡大している。家電大手が相次いで石油ストーブの生産を打ち切り、縮小傾向だった市場が一転、「節電の冬」の主役に返り咲きそうだ。
「暖房はもちろん、お湯を沸かしたり簡単な料理もできる。石油ストーブのよさが改めて見直されている」
石油ストーブの利便性をアピールするのは、暖房機器大手のコロナ(新潟県三条市)の担当者。同社によると、東日本大震災後は防災用品としても見直され、東北地方を中心に全国的に引き合いが強まったという。同社は6月から石油ストーブの生産量を4割増やしたほか、エアコンに比べて消費電力の少ない石油ファンヒーターも6月から2割の増産体制に入っている。
需要の拡大を見越して家電量販各社も、例年は9月に入ってから設置する暖房機器売り場を前倒しで立ち上げたり、品ぞろえの強化を急いでいる。
ケーズデンキでは8月下旬に防災用品コーナーを特別に設け、そこで石油ストーブの販売を始めた。担当者は「特に停電を経験した関東以北で売れ、備蓄用に購入する人もいた」と話す。10月に入ってからは前年同期比で石油ストーブは約14倍、石油ファンヒーターも約3倍の売れ行きだったという。
都市部に多くの店舗を構えるビックカメラの販売員も「(安全面から)石油ストーブの設置を禁止しているマンションもあるものの、問い合わせは増えている」と話し、例年より数週間早い9月上旬に暖房機器売り場を立ち上げた。
調査会社GfKジャパン(東京)によると、9月の暖房機器の国内販売台数は前年同月比で石油ストーブが約16倍、石油ファンヒーターが1.8倍を記録。かつての暖房機器が“復権”の兆しを見せている。
このほか、電気を使う機器でもこたつ(1.9倍)や電気カーペット(1.3倍)など身の回りを暖める機器が堅調な売れ行きをみせている。その半面、エアコンは猛暑と家電エコポイント制度による特需があった前年同月と比べて約3割減と大幅に落ち込んだ。
GfKジャパンは「今年の冬は節電対策として複数の暖房機器を『組み合わせる』『使い分ける』ことが主流になりそうだ」と予測している。