部屋で暖をとるために電気ストーブを使っていたのですが、震災が起きて節電が叫ばれるようになってからは、よっぽど寒くない限りは使用を控えています。熱を発生させるものほど必要な電気量が多いので、そういうものから節電を見直すといいかもしれません。
使わないとき電源切るが基本
東日本大震災の影響で、電力不足が深刻化している。工場や企業などに比べれば家庭での電力消費は少ないが、朝晩の冷え込みが厳しい地域での被災者のためにも節電を心掛けたい。計画停電の影響で一般家庭で電気が使えなくなるケースも出る中、今すぐできる「節電方法」を紹介する。
暖房は切ろう
資源エネルギー庁などの資料によると、家庭での電力消費のうち最も高いのはエアコンで、全体の4分の1を占める。次いで、冷蔵庫(16・1%)と照明器具(同)、テレビ(9・9%)が続く。
「寒冷地以外では、寒さはだいぶ和らいでいる。暖房を切って、靴下を二重履きにしたり、たくさん着込んだりしてください」と指南するのは、節約アドバイザーの矢野きくのさんだ。窓のカーテンを厚手にしたり、床まで届く長いものにすることでも効果があるという。
お年寄りや子供がいる場合、無理は禁物だが、設定温度を下げ、作動時間を短くするだけでも効果はある。財団法人・省エネルギーセンターの資料によると、設定温度20度の暖房を1日1時間短縮した場合、年間で約900円の節約になる。月1、2回フィルターを清掃することも省エネにつながる。
こたつの場合は、敷布団を敷くだけで省エネになる。電気カーペットも、人のいない部分は暖めないようにして節電しよう。
開閉は最小限に
次に、冷蔵庫の節電方法をみてみよう。
「節電対策なら、冷蔵庫の設定温度を調整をする。パネルや冷蔵庫内に温度調整ダイヤルがあるので、必要以上に冷やし過ぎないようにする。停電対策なら、保冷剤や水を入れたペットボトルを凍らせたりして、冷やしておかなければならないものの周りに置くこと」と矢野さん。開閉の回数を減らし時間も短くすれば、数時間の停電でも中身がそんなに傷むことはなさそうだ。
今回のように大規模な震災では、テレビやパソコン、携帯電話で情報を集める人も多い。だが、「なるべくつけっぱなしは避けること。音だけならラジオの方がよい。また、大きなテレビより小さなテレビの方が消費電力は少ない」(矢野さん)。テレビを消すときは、主電源をオフにする。乾電池式のラジオなら停電しても作動する。
使用時間を短縮
パソコンも、使わないときは電源を切るのが基本だ。長時間操作しないと自動的に画面に現れる「スクリーンセーバー」は消費電力を下げることにはつながらないので要注意だ。
携帯電話など充電式のものは、停電になる前に充電を済ませよう。乾電池やソーラー式など、「電力」に頼らない充電器もある。
トイレの便座暖め機能や保温ポットなど、普段は付けっぱなしにしている家電も、この際だから見直してみよう。ドライヤーや掃除機も使う時間を短くすることで節電につながる。炊飯器を長時間つけておくのも無駄だ。
停電になると、給湯器が使えなくなることもある。台所のガスコンロが使えたとしても、換気扇を回さないで調理をするのは危険だ。風呂や料理といった電気を必要とする家事は停電時は避ける。また、停電時にろうそくを使うと、地震が起きたときに倒れて火事になりやすい。
マンションの場合、「エレベーターが止まったり、オートロックの開閉ができなくなったりする可能性もある」と矢野さん。高層マンションの場合、外出は停電の前に済ませておく。停電になる時間を考えながらスケジュールを組み立てることが重要だ。