2011年9月23日金曜日

チームプレーでサイト成長 「CLUB Panasonic」

ホームページの会員登録数は、この業界では異例となるほどに変貌しました。そのメリットを生かしてモニター間での情報交換を行う場所として利用しているのは良い案ですね。否定的な意見も、消費者の生の声なのですからそこから改善案ができやすくなるはずです。

パナソニックが運営する会員制サイト「CLUBPanasonic」を開設後4年弱の短期間で、家電メーカーとして最大級の会員数約400万人のマンモスサイトに育てあげた。先月、今年の「Webクリエーション・アウォード」の最高賞であるWeb人大賞を受賞。「ウェブサイトは生き物と同じです」と、まめに手を掛けることの大切さを強調する。(堀口葉子)
平成19年11月に産声をあげた同サイト。会員登録すれば、一つのIDで同社のすべての製品に関するサービスやキャンペーンの最新情報を得ることができる便利さがうけている。かつては、テレビや白物家電など製品部門ごとに10以上に分かれていたが、これを一つにまとめたのが山本さんの大きな功績の一つだ。
「つまりバラバラだったんですね。サイトをまとめたことで、会員側は一つのIDで異なる部門のサイトを利用できるようになりました。当社側も全社としてダイナミックに情報提供できるだけでなく、各サイトの運営コスト削減につながりました」
さらに、各部門におけるマーケティング強化も打ち出した。「月1回、各部門との打ち合わせで、サイトを運営する私たちの企画や方向性を伝えるとともに、各部門の新しい製品や情報を聞きます。全社の動きを把握し、チームプレーで手数をかけてサイト運営にあたります」
こうして、テレビCMを打つタイミングに合わせて、会員にCMの詳細や製品の深さを伝えることも可能になった。ウェブの持つリアルタイム性(即時性)と多彩な表現力を生かすことで、「CMの効果を3倍にも4倍にもできる」
人気のサービスは、購入者やモニターの声が掲載される「みんなのレビュー」。「批判的なコメントでもほとんど載せています」というだけあって、“本音が分かる”と評判になっている。
これらの実績が評価され、Web人大賞に選ばれた。IT業界を含む一流企業が名を連ねる社団法人「日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会」主催で、ウェブ業界の発展に貢献した人物に与えられる賞だ。
入社後17年間、オーディオ関係のマーケティング一筋だったが、平成9年にインターネット部門に配属された。慣れないウェブの世界に戸惑いもあったが、「製造部門から顧客まで商品の流れを現場でみてきたことが、いま参考になっています」という。
ウェブでもリアル(現実の世界)でも認められた「CLUBPanasonic」。その舞台裏では、山本さんが長年培ってきたマーケティングのノウハウが生かされていた。