高まりつつある市場での関心にいち早く気付いたダイキンは、独自の太陽光発電に関する自社ブランドを立ち上げました。節電にも限界があり、自分の家で発電できたらと考えている人は結構いると思うので、十分にこれから発展していきそうな分野です。
ダイキン工業は、自社ブランドの住宅用太陽光発電システム「Sky Solar(スカイソーラー)」をスタート。S/P/Gの3タイプを2012年4月1日より発売することを発表した。
同社では2010年3月から京セラ製の住宅用太陽光システムを販売してきたが、今回自社内での体制が整ったとし、新たなブランドをスタートさせた。これに伴い2011年6月から、太陽光システム事業に関わる施工者には、施工技術を高める研修を開始しているという。
今回発売する住宅用太陽光システム「Sky Solarシリーズ」では、屋根の美観を保ちながら、効率的に設置できるよう、屋根形状別にS/P/Gの3タイプの太陽光モジュールを揃えた。
Sタイプ(スタイリッシュタイプ)は、サイズの異なる3つの矩形(長方形)モジュールを揃える。複雑な屋根の形や、小さな屋根にも効率よく設置でき、見た目もスタイリッシュになるという。希望小売価格は26,796円~45,150円。
Pタイプ(パワフルタイプ)は、矩形と台形の2つのモジュールを揃え、4方向に勾配を持つ寄棟屋根などに適している。搭載容量は、矩形モジュールのみの場合に比べ、約32.5%増える。希望小売価格は44,100円~86,625円。
Gタイプ(グランドタイプ)は、傾斜の無い平面状の屋根や、グランドに設置するための矩形タイプの太陽光モジュール。強度を向上させているという。仕様や発売日などの詳細は未定。
品質面ではいずれも、高効率の発電が長期間続く太陽光モジュールを採用しており、性能劣化が低いという。なお品質評価は、一般的なIEC(電気、電子、および関連した技術を取扱う国際的な標準化団体)の基準よりもさらに厳しい、ドイツの第三者認証機関テュフによる、総合的な性能品質テストの認証を、世界で初めて取得したとしている。
ダイキンでは、自社ブランド発足の背景として、住宅用太陽光システム市場の伸張を挙げる。住宅用太陽光発電の導入件数は、国および自治体の補助金や余剰電量買取り制度の後押しを受けて、2010年度の20万件から、2015年度には45万件まで伸びると予想している。
また近年、オール電化の浸透や、節電・省エネの意識の高まりによって、エアコンやヒートポンプ給湯機、床暖房システムを導入する際に、太陽光発電システムを検討する人が増えているという。
同社では、住宅で消費されるエネルギーの約60%を占める「熱エネルギー」を減らすため、同社のヒートポンプ技術に省エネ効率の高い熱回収技術を加えて、「熱まるごとシステム」を提案。さらに、住宅用太陽光システムによる「創エネ・蓄エネ」技術を組み合わせて、住宅のエネルギー収支のゼロを目指すとしている。