10代の高校生から20代のOLまでの支持の熱いミラーレス一眼は、今まで一眼レフカメラの調整は難しいとして毛嫌いしていた女性を含めて空前絶後のダイヒットを記録しています。オリンパスの問題があって空席になったカメラ業界に、名乗りを上げたのがパナソニックでした。海外でも人気が出てきたこの商品の市場に参入するために、様々な構想を練りながら販売台数を着実に上げています。
パナソニック・グループ・イン・タイランドの村上廣高最高経営責任者(CEO)は15日、急成長するミラーレスタイプのデジタル一眼カメラの販売シェアを現在の15%から、来年は35%まで引き上げ、市場首位を目指す目標を明らかにした。今年のミラーレス・デジタル一眼カメラ市場は、前年比50%増の1万8,000台規模に、来年はさらに2万8,000台規模に拡大すると予測している。
同日は、ミラーレス・デジタル一眼カメラの新製品「ルミックスGX1」(販売価格2万990バーツ=約5万2,500円)と、電動ズーム機能を搭載したズームレンズ2モデルを発表した。日本で生産した製品を輸入する。ルミックスGX1は本年度(2011年4月~12年3月)中に5,000台を販売する目標だ。
パナソニックのデジタルカメラ市場全体でのシェアは現在、8%と4~5位につけているという。本年度は販売台数10万台、6億500万バーツの売上高が目標。来年は販売台数14万6,000台、8億2,000万バーツを売り上げ、シェアを10%まで引き上げたい考え。
村上CEOはまた、洪水被害によりグループの3工場が被災したと明らかにした。中部アユタヤ県ロジャナ工業団地の1工場と、バンコク北郊パトゥムタニ県ナワナコン工業団地の2工場が浸水した。部品、コンプレッサーの製造拠点という。3工場の操業停止は、商品供給にはほとんど影響ないが、スイッチ、電源プラグ、ヘアドライヤーなどの生産が遅れる可能性がある。
水はすでに引いたが、これから保険会社が工場を訪れて査定を行う予定で、損害額はまだ把握できていない。また、復旧に掛かる日数の見通しも立っていない。
今後のタイでの投資計画については、日本本社の方針に基づき、従来予定どおり進める。ただ、タイ政府のインフラ投資、交通・物流網整備、労働、インフレ対策などをみて、3~5年内に再検討する考え。
10~12月期の売上高は、前年同期比10~15%減少するとみられ、本年度9カ月(11年4~12月)の売上高は5~6%増と国内家電市場と同等の伸びにとどまる見通しだ。
ただ、復興需要による家電販売の伸びが見込めることから、来年1~3月期の売上高は当初目標を達成できる見込み。国内家電市場は、前年同期比10%増の220億バーツ規模になると予測している。