年末商戦で激化する照明業界ですが、明るさと節電という二つの要素を追求しながら商品を作らないといけないという、難しいテーマが掲げられています。
矢野経済研究所が発表した照明市場に関する調査結果「2011年版 照明市場の展望と事業戦略」によると、一般照明用途の照明市場規模は2010年比で106.7%、8013億円に拡大すると考えられている。要因としては震災に伴う節電ニーズが一般家庭に浸透した事や省エネ法の改正、工場やオフィス、商業施設を主に発光ダイオード(LED)照明等の高効率照明への切り替えが促進されたことが挙げられるという。
また市場をLED照明(一般照明用途)に絞った場合、2010年以降には直管形ランプやLEDシーリングライトをはじめ、商品ラインアップ面も拡充。2010年においては2009年比200.5%の750億円となり、2011年においても2010年比185.7%の1,393億円が見込まれている。
本格的に普及が進み、活況のLED照明だが特に年末は、大掃除による照明付け替えが盛んになる時期。これを機に蛍光灯からLEDの導入を検討する人も多いと考えられる。こうした需要を見込み、LED照明メーカーは、各社ラインアップを強化し、 販売店での独自キャンペーンを実施するなど、販売強化に力を注いでいるようだ。
そのような中、ロームグループ <6963> のAGLED(アグレッド)は、ロームの半導体技術を生かし、業界トップクラスの薄さ39mmを実現した 業界最薄かつ業界最高の 省エネ性能を誇るシーリングライトのラインアップを拡充、全12機種をラインアップする。また、これまでリビング用途向けに~12畳用、~10畳用、~8畳用などを取りそろえていたが、リビング以外の比較的小スペースのセカンドルームやプライベートルームに最適な6畳用でのコンパクトタイプを追加し、販売開始。年末商戦に向けて今週末より関東、関西エリアの量販店を中心に売り込みを強化している。
ロームの担当者はわれわれの取材に対し、「12月23日から発売する新商品AC-91001は、厚さわずか3.9cmで直径が49cmの薄型コンパクトデザイン。天井面が広くすっきり見えるため、 セカンドルームなど狭い部屋でも窮屈に感じません。また、光の質にもこだわっているということで、 発光面が均一に光り、コンパクトサイズの器具ながら、 部屋全体を明るく照らします。 価格も従来品よりも低く抑えられているので、 LED照明の導入を考えている消費者にとっては、 入門タイプとして最適になると思います」と語った。明るさとエコを両立したLEDシーリングライトは、省エネに貢献する新世代のライフスタイルに最適だという。
今後も照明市場はLEDを中心に展開していくのは間違いない。蛍光ランプが既存光源であった日本において、省エネを家電としてLED照明の伸長は拡大していくと考えられる。