初日の販売台数が、店頭と予約の二つを合わせて日本で70万台の販売を記録しましたが、海外での携帯ゲームの関心も高く、なんと全世界で7000万台を売り上げたそうです。しかし、現在出ているソフトだけでは少々心もとない感じがするので、早急に新しいソフトの開発が急がれます。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は17日、新型携帯ゲーム機「プレイステーションVita(PSヴィータ)」を発売した。世界で7千万台以上を販売した「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の後継機で、SCEとしては7年ぶりの携帯ゲーム機発売だ。ライバルの任天堂も主力機でてこ入れを図っている。この冬のクリスマス商戦は両社が真正面からぶつかる「史上最大のゲーム戦争」の様相を呈しており、低迷するゲーム機市場を刺激しそうだ。
PSヴィータは映像や使い方などに特徴を持たせた。タッチパネルには高精細な映像をみられる5インチの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を採用。触れて操作するタッチパッドを本体の背面にも配置した。本体の傾きや加速度を感知するセンサーとともに、ボタンを押すだけでなく、幅広い使い方ができる。
通信機能も無線LAN通信対応の機種(2万4980円)と、携帯電話回線も使える3G対応モデル(2万9980円)の2種類を準備し、消費者が使いやすい方を選べるようにした。
発売初日は家電量販店や専門店に多くの人が訪れ、東京・秋葉原では約600人が行列をつくった店もあった。東京・渋谷の販売店では平井一夫ソニー副社長兼SCE会長が「究極の携帯機」と胸を張った。
とりわけ通信機能の充実ぶりは目立つ。業界関係者の一人は「ソニーが配信サービス型に事業の軸足を転換しようとしている表れだ」と分析する。すでに「3Gモデルは人気が高いようだ」(アンドリュー・ハウスSCE社長)と手応えも感じ始めている。
一方、「ニンテンドー3DS」で迎え撃つ任天堂は8月に本体価格を1万円引き下げた。11月からは「スーパーマリオ3Dランド」「マリオカート7」「モンスターハンター3(トライ)G」など人気のソフトを続々と発売し、それぞれ40万~60万本超(11日時点、ゲーム雑誌出版のエンターブレイン調べ)を売るヒットとなった。
あわせて3DS本体も12月5日からの1週間で37万8千台を売り上げ、2月の発売以来最高を記録した。
ただ、ゲーム機市場はピーク時から2千億円以上も縮み、ゲーム機時代の終わりもささやかれている。ゲーム業界では、今冬の両者の販売が市場の先行きを左右するとみている。