2011年5月10日火曜日

行き場を失うブラウン管テレビ、リサイクルに難題

数年前までウチもブラウン管のテレビを使っていましたが、あまりの重さに台の上に置かず、床にそのまま転がすようにして見ていました。いらなくなったからといって、ゴミ箱とかにすぐに処分できるような物ではないことから、山に捨ててる人が後を絶ちません。

今年7月24日に予定されているテレビのアナログ放送停波。これを前にブラウン管TVの不法投棄増加に加え、リサイクルできずに行き場を失うブラウン管が増加するといった問題も噴出している。
家電リサイクル法が再商品化義務を課す家電4品目の不法投棄数調査(環境省・09年度)で大阪府は1万717台と全国1位。その大半はブラウン管TV(6638台)だった。全国でもブラウン管TVの不法投棄数は07年度に一度減少したが、2年連続で再び増加に転じている。
大阪府では全国唯一、独自の家電リサイクル方式も導入し、他の都道府県よりリサイクルへの関心が高いようにも思われるが、現実はどうだろうか--。
09年度、府内で2番目に不法投棄数の多かった東大阪市。今年度のブラウン管TVの不法投棄数について1453台と、前年度の総計950台を大きく上回った。市担当者も「急激に増えており地デジ化によるテレビの買い替え以外に理由は見つからない」と分析。家電リサイクル法と比較しても1~4割安価な大阪方式での処分を案内しているが、「手間もかかるし、あまり認知されていないのが現実」だという。
一方、ブラウン管のリサイクルには難題が潜む。ブラウン管裏面のファンネルガラスなどには人体に有害な鉛が含まれるためブラウン管以外の再商品化は難しい。また不法投棄が放置され続けると土壌汚染の可能性もある。さらに鉛を含むため有害廃棄物の国際移動を規制するバーゼル条約に違反する可能性もあり相互国の合意がなければ輸出できない上、世界的にブラウン管TVの生産台数が激減。このため家電リサイクル法や大阪方式を利用して処理されたブラウン管ガラスの販路は、マレーシア(年内終了予定)とインド(国による認可待ち)だけ。
リサイクル関連業者によると「最後の受け入れ先」だというインドでの需要も「持って2年」といい、販売しきれない在庫やリサイクル待ちのブラウン管が行き場を失っているのが現状だ。