2011年5月31日火曜日

NXP、電球へのIPアドレス付与で節電を図るソリューション

ありそうでなかった新しい試みといえます。電球をいくつも使うような大きな邸宅を持っている方や、会社などでは個々の電球の消灯を管理することは非常に難しいことだとされていましたが、これによって変わってくるかもしれません。

オランダ NXP Semiconductors は2011年5月16日、家庭や企業内で使われるすべての LED 電球/電球型蛍光灯に IP アドレスを付与して電力利用の効率化を目指す技術ソリューション「GreenChip smart lighting solution」を発表した。現在 NXPは、同ソリューションの参照デザインを提供している。
GreenChip smart lighting solution は、各電球に IP アドレスを割り当てることで監視/管理/制御できるようにするもの。スマートフォン、タブレット端末、パソコンのほかテレビなどの家電機器から、電球のオン/オフ切り替えや調光を個別に行える。これにより、照明の利用効率を高め、全体的な消費電力/電気料金削減を図る。照明環境および消費電力レベルに関する情報を取得し、問題発生時にアラートを出すことも可能という。
大きく分けて LED 電球向けの「GreenChip iSSL」と電球型蛍光灯向けの「GreenChip iCFL」という2種類のソリューションで構成する。具体的には、調光用ドライバ チップセット「GreenChip iCFL / iSSL」、待機電力を下げる電源コントローラ、短距離無線通信規格 IEEE 802.15.4 対応コントローラ、NXP のネットワーク技術「JenNet-IP」用ソフトウェアなどを用意している。
NXP のパートナー企業である LED 電球/電球型蛍光灯メーカーの米国 TCP と、照明制御/管理ソリューションを手掛ける米国 GreenWave Reality が米国ペンシルバニア州フィラデルフィアで開催中(5月17日から19日)の照明関連展示会「LIGHTFAIR International」に出展し、GreenChip smart lighting solution ベースのインターネット対応「スマートライティング ネットワーク」を公開している。
なお、日本では東日本大震災にともなう計画停電の影響で節電意識が高まった。照明を LED 電球に切り替える動きも出始めている。