2011年7月5日火曜日

ブラジルの中流階級狙いで一発逆転を模索する企業

新たな顧客獲得に向けて試行錯誤する各企業ですが、次なる開拓地としてブラジルの中流階級層を狙っている会社が多いそうです。特にバス、飛行機、船などの移動手段が頻繁に使われる地域としての認識も高く、働き先が何十キロも先にあるような長距離利用をするお客さんが多いそうです。

米国のカリスマ経営者が次なるターゲットに選んだのはブラジルの中間所得層「C層」(世帯月収15万~38万円)だった。2008年に設立された新興格安航空「アズール」。初めて飛行機に乗るC層に人気を博し、シェアを2年でゼロから7・4%へ伸ばした。
週末の夕方、リオデジャネイロからサンパウロへ向かった。客室乗務員が「右下に見えますのがアイルトン・セナ通りです」とアナウンスを始め、満員の乗客は一斉に窓へ額を寄せる。
飛行機はサンパウロでなく北西80キロの地方空港へ着陸した。ここで同社の無料バスが待っており、1時間でサンパウロへ。運賃は大手の半値の約300レアル(約1万5千円)程度だった。
創業者のデビッド・ニールマン氏(51)は1998年、米国で「ジェットブルー」を設立した。大手が乗り入れず使用料の安い地方空港を拠点とし、インターネットで発券する手法で全米7位へ育て上げた。2007年に失脚し、5歳まで育ったブラジルで「青」を意味するアズールを興した。
同社のジアンフランコ・ベチン取締役(47)は「ある日、米国人の来客があり、ドアが開いたらデビッドがいた。彼の構想通りとなり、わが社の参入で飛行機を利用する人口が年間20%増えた。じきに国民の半分が空を飛ぶ」と話す。